小堀馨子のブログ

古代ローマ宗教研究者でロンドン大学にて博士論文執筆中の小堀馨子のブログです。
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【訃報】坂部恵先生(2009年6月3日)
JUGEMテーマ:ニュース

日本を代表する哲学者のお一人である、坂部恵 先生が亡くなられた。

詳細は、各種ニュースに出ているので割愛する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090603-00000100-mai-peo

ウィキペディア「坂部恵」の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E9%83%A8%E6%81%B5



坂部先生は中高時代の級友のお父様であった。
私が大学二年の時に、哲学科か西洋史学科か進学を迷った時に相談に乗って頂いた。

この時から自分は思想系か歴史系か迷っていたのだが、
当時はお話を伺った結果、哲学というのはそんな恐ろしいものでもないと感じたが
でも哲学的思考について行ける程頭が切れる自信が全くなかった自分には
実物を相手にする歴史系の方が向いているかもしれないと思い、
西洋史学科に進学したのだった。

でも本郷に進学してから、先生の授業には一年間出席した。
前期はカントの純粋理性批判で難しかったが、後期はパースを読んだ。
カントの文章には、一文が一頁を超えて足かけ三頁にまたがる、
というとんでもない代物があるのを、笑い話としてではなく、
実際に原文と対峙して知ることができたのも先生の御蔭だった。

大学院生になってからは忙しくて先生にお目にかかることも減り、
いつの間にか先生も退官なさり、自分も留学して縁遠くなってしまったのが残念だった。

こうして訃報に接して、哲学という世界に対して恐怖と興味半々だった私に対して
恐怖の部分を取り除き、興味の部分を掻き立てて下さった先生のご恩を思い起こしつつ
心から哀悼の念を表したいと思う。

| 人(祝辞・記念・訃報・追悼) | 17:20 | comments(3) | trackbacks(0)



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コメント
30年前坂部先生のファンでした。訃報に接し、全集をひもどきはじめました。思索の集中度の高い文章に接すると、これが彼の「仕事」だったんだと感慨深いものがあります。坂部先生は確実に日本を代表する哲学者でした。彼は日本の知的伝統が西洋知の桎梏から解き放たれる時代の到来を告げる預言者だった。さて、彼の預言は30年でどれほど深化し、日本の知的文化は彼をどう活かしているか、考えてみたいところです。
| アシカビヒコ | 2009/06/28 2:42 PM |
★アシカビヒコさん

そうですね。私も現代日本においてしっかり地に足をつけて思考していらした先生だと感じておりましたが、最近はご著作のフォローも余りしておりませんでした。訃報に接して改めてご著作を読んでみたいという思いが湧いております。。
| 馨子 | 2009/06/29 9:57 AM |
小堀様
早速全集の4巻を取り寄せて、ひもどき始めました。もう30年ご無沙汰していましたが、蘇る坂部節の知的緊張感を楽しんでいます。坂部さんがキリスト教の伝統と近いところにいたのだということを葬儀の報道で知りました。私は理学部学生時代に彼の集中講義を一度をいわばニセ学生として聞いただけですので、坂部さんについては初期の著作しか知りません。<しるし>を巡る思惟は坂部節の微妙な羞恥心というか恥じらいを秘め、あるいは無用のアカデミックな波紋をさける慎重さからか、アダムとイブの原罪にはあえて触れていません。これはあるいは彼には身近すぎて簡単には語れない領域だったのかもしれない。知恵の実を食べて失楽園となった人類の運命について彼は萩原朔太郎の仮面を借りて語ったのではないかと思い始めています。
| | 2009/06/30 4:38 AM |
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